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宮崎県の運営協議会における協議のまとめ

宮崎県では、学校支援地域本部事業の効果的な展開を図るため、運営協議会を設置し、市町村等が実施する事業に対する指導・助言、事業の成果の検証・評価等を行うとともに、今後の効果的な事業推進の方向性を協議しています。本年度は、年4回、以下の15名の委員に熱心にご協議をいただきました。

  • 小学校校長
  • 中学校校長
  • 県立高校校長
  • 大学准教授
  • 弁護士
  • PTA代表
  • 婦人会代表
  • 研修コーディネーター
  • 老人クラブ代表
  • 自治公民館代表
  • 退職校長会代表
  • スポーツクラブ代表
  • 企業代表
  • 県教育行政関係者
  • 市教育行政関係者

以下に示すのが、本年度運営協議会で出された意見等をまとめたものです。これらの意見を参考に、宮崎県ならではの学校支援地域本部事業を実施していきたいと考えています。

事業の啓発について

  • 事業導入時に学校の負担感があることは事実であるが、事業の有効性がわかれば、希望する学校も増えてくる。また、本事業を実施することで学校と地域の連携がさらに密になり、教育活動も充実する。このような良さを実感させ、学校側の意識の転換を図る必要がある。学校側にやってよかったという成功体験を実感させ、本事業のよさを浸透させていくことが大切である。
  • この事業は、目的ではなく手段であり、学校のニーズに応じて行うものであるので、学校側のニーズを生み出すことが重要である。そのためにも、学校支援地域本部事業の良さを実感できる試食会のようなイベントをすることも効果的である。学校のニーズについては、教職員だけでなく子どものニーズを考えることも大切である。
  • 「学校支援地域本部事業」という事業について保護者がどれだけ知っているのだろうか。PTAの会議などに積極的に足を運び事業の啓発を行うことも大切である。
  • 「学校支援地域本部事業」というネーミングは、学校を支援するための事業というイメージにとられやすい。教職員の負担軽減というよりも、学校を核に地域づくりを行うと呼びかけた方が協力を得られやすい。
  • 地域の方は地域のために貢献するとやりがいを感じる。地域への説明は、ボランティアの募集では、「自分のもっている力を生かしてみませんか」ということを前面に出して説明をすると共感が得られる。

人材等の育成について

  • コーディネーター同士の情報交換及び情報の共有化が必要であり、それを核としながらボランティアや地域のネットワークの構築をしていく必要がある。
  • 各学校にこの事業を広め、継続させていくにはリーダーが必要である。ただ、求められるのは、ピラミッド型の頂点のようなリーダーではなく、ネットワークの中のたくさんの連結点をつなぐリーダーである。そのような複数のネットワーク型のリーダーがいれば、本事業も継続していきやすい。
  • 人材育成はもちろん大切であるが、別の視点から言えば、コーディネートがだれでもできるようなノウハウを蓄積させる必要がある。
  • 人材育成というよりも地域の人材をどう発掘するかではないか。地域の中には、すばらしい人材や組織がある。教職員も時間外になることも多いだろうが、地域にできるだけ入ることが大切である。
  • 地域の人材だけではなくいろいろな組織・施設・企業や団体等にも目を向けると新たな人やものの発掘、地域づくりにつながる。
  • 学校に配置されている地域と連絡をとる「窓口担当教員」等を「コーディネーター研修会」に参加させ、コーディネート力を身に付けさせることも大切である。

学校側の意識の在り方について

  • 教職員も地域に積極的に出ていき、地域への情報発信に努め、学校の情報と地域の情報等、双方で共有していく必要がある。
  • 学校は、地域の行事やイベント等を調べ、積極的に教職員や児童・生徒に参加するよう促し、地域への貢献についても考える必要がある。
  • 小中学校においては、「窓口担当教員」が配置されているので、その活用も大切であるが、本事業を効果的に推進していくためには、管理職のリーダーシップも不可欠である。
  • 本事業を立ち上げる際の苦労や本事業の趣旨等について、年度初めに新しい職員や保護者に説明する機会を設けることも大切である。そのことが本事業の継続につながっていく。

事業の効果的な推進について

  • 学校のニーズあっての本事業であるが、学校のニーズの引き出し方については、以下のような工夫も考えられる。
    ・ これまで、学校の窓口業務に携わるのは管理職や教務主任等が多かったが、各学年の教育に一番精通している学年主任に打合せ等に入ってもらうようにするといい。特に年度末に次年度の教育計画作成の段階で、そのような打合せ会をもつといい。
    ・ 学校の時間帯の中で、どの時間帯にボランティアに入ってほしいかはそれぞれの学校で違う。そのようなニーズを調べることも有効である。
  • 「スクールガード」(学校の安全確保)のように今すでにある取組をうまく取り入れていくことが効果的である。
  • 新聞等のマスコミでとりあげられていないが、地域に根付いた実践もあるので、実態把握を含めた情報収集を行い成果を広げていくことが望ましい。
  • 子どもの学力向上を図りたいという学校側のニーズに対しても、他県では授業の単元ごとに習熟を図る単元テストを位置付け、その採点や補習等の支援にボランティアを活用して成果を上げている。本事業は、学力向上にも十分に生かせる事業である。
  • ボランティアのできることをレストランのようにメニュー化しておくと学校も活用しやすい。
  • 学校支援地域本部事業の成果やアイディアをだれでも活用できるような形式知(文章化や図式化などで誰でも理解・説明できること)に変えていくことも本事業継続の鍵になる。
  • 本事業においては、保護者の協力も不可欠であるが、仕事をかかえてなかなか参加できないという実状もある。地域全体で支援するという大きな視点からの共通理解が必要である。保護者が来なくてもいいから、地域の人だけでもやろうというのが地域づくりである。「できる人ができる内容を、できる時間に」が長続きの秘訣である。
  • 地域は、住んでいるところだけでなく、保育園や仕事の関係も含めて地域である。地域に住んでいる人だけでなく地域に関わっている人々も巻き込むという事業の進め方も大切である。

連携の在り方について

  • 各市町村や学校関係職員に積極的に本事業の有用性をアピールしていく。その際には、学校政策課などの他課との連携を図る必要がある。また、首長部局行政、関係団体や企業等との連携も不可欠である。
  • 放課後子ども教室推進事業など他の事業の研修会や協議会を連携して行うことも有効である。事業間で連携することで相乗効果も生まれる。行政の側から見ればそれぞれの事業の実施ではあるが、地域から見れば一つの事業である。事業の統合は、経費の削減にも有効である。

今後の方向性について

  • 予算がなくても実施可能な例として、コーディネーターをボランティアとし、謝金を無償化にしている取組もある。また、学校事務職員に地域コーディネーターの役割を兼ねさせようとする試みも行われている。今後は、少ない予算でも継続できる方向性を見出す必要がある。
  • コーディネーターを個人だけに任せるのではなく、地域づくり協議会のような組織を活用し、組織ぐるみでコーディネートしていくとよい。
  • 地域が学校を支えるシステムが十分に機能している地域にあえて広めていく必要はない。また、コーディネーターを配置しなければ実施できないという発想ならば、予算がなくなれば事業もなくなってしまう。地域のことをよく知っていてコーディネート力のある人材を学校側が知っていれば必要に応じて活用することも可能である。全ての学校でこの事業を行うことは、財政的にも限界がある。地域ぐるみで学校を支える体制づくりを行政側が支援する事業だと考える。
問い合わせ先
宮崎県教育庁生涯学習課 生涯学習推進担当
電話:0985-26-7244(内線3321)
FAX:0985-26-7342
E-mail:[email protected]
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