1.本県の人権教育の基本的な考え方
2.人権教育の現状と課題
我が国においては、これまで学校・家庭・地域社会のあらゆる場において人権に関する施策や教育が推進され、人権を尊重する社会を実現する上で一定の成果をあげることができました。
しかしながら、地域社会には、様々な人権課題が存在しています。その要因としては、人々の中に見られる同質性・均一性を重視しがちな性向や非合理で因習的な意識、物の豊かさを追い求め心の豊かさを軽視する社会的風潮、社会における人間関係の希薄化などの傾向があげられます。また、国際化、情報化、高齢化、少子化等の社会の急激な変化なども人権に関わる問題を複雑化させる要因となっています。
さらに、自分自身に自信や誇りをもつことができなかったり、他者を受け入れきれず望ましい人間関係を十分に築くことができなかったりする人が増えてきています。
こうした現状を踏まえ、これからの人権教育においては、すべての人に自他の人権を尊重しようとする主体的な態度や行動力を育むことを目指すとともに、自己理解や他者理解を深めさせ、違いを個性として受け止めることのできる感覚を養うことが求められています。
そのためには、生涯学習の視点に立って、幼児から高齢者に至るそれぞれのライフサイクルにおける多様な教育活動を展開して、様々な人権課題などについて学ぶ機会を積極的に提供するとともに、地域において展開される社会教育活動をより人間尊重の視点に立って推進する必要があります。